IgA腎症関連のWebサイトによく出てくる用語を自分で後で読んで思い出せそうと思われる言葉でまとめました。完全に個人(素人)の備忘録です。色々言葉や背景を検索して、あぁそういうことか、と納得するものの、残念ながらすぐに忘れてしまうのでメモ書きを残しておくことにしました。。間違っている部分を発見したら随時修正してゆきます。
・IgA腎症には原因療法がない。
・IgA腎症には対症療法を行う。対症療法とは、病気の原因を取り除くのではなく,病気によって起きている症状を和らげたり,なくしたりする治療法のこと。
・キッチンで天ぷら油火災が起きたとする。
やる事としては、
1. 火の元を絶つ
2. 燃え上がる火を消す
ガス栓を閉めてしばらくして火の勢いが収まれば鎮火する(扁摘)。燃え上がる火には消火器や濡れタオルを使うかもしれない(ステロイドパルス)。キッチンは煤だらけになるかもしれないが、無事に火が消えた場合、掃除すればまたキッチンは使える(寛解)。
鎮火作業する前に燃え上がってしまい、キッチンが焼け焦げてしまうこともある。こうなると鎮火してもキッチンは使えない。焼けて崩れ落ちたものを再利用、再生するのは難易度が高い。
よって寛解には、
・早期発見
・糸球体毛細血管炎が主たる状態
・腎機能が大きく低下していない
ことが前提条件となる。そうでないと糸球体毛細血管炎が消失しても腎機能は回復せず、寛解できない。
前提条件を満たさない場合は、
1)腎機能を足す(腎移植)
2)腎臓の代わりの作業を行う(人工透析など)
が選択肢になる。火事で例えるなら、キッチンのリフォームとか家事代行!?
・対症療法としてターゲットとなりうる段階とは?
[糸球体毛細血管炎前に生体内で起こること]
1)IgA抗体を作る
生命維持に必須の生体防御反応なのでIgA抗体の産生自体を止めることはできない。
→治療対象にならず。
2)異常IgA抗体を作る
・扁桃腺が異常IgAを産生している場合は、扁摘で体内の異常IgA量を減らせる。
・鼻咽頭の炎症が原因で異常IgAを産生している場合は、B-SPOT 療法で体内の異常IgA量を減らせる。
・歯周病が原因で異常IgAを産生している場合は、歯科治療で体内の異常IgA量を減らせる。
・腸で異常IgAを産生している場合は、腸管内放出ステロイド(海外臨床試験中)が効果あるかも。
3)異常IgAが複合体を作る
腸内などで異常IgA(糖鎖修飾異常など)の複合体が形成される。異常IgAは自己凝集複合体形成を引き起こすので、薬剤で複合体形成の阻止は難しいと思われる。
→治療対象にならず。
4)異常IgAおよび複合体が腎臓に沈着する
異常IgAおよび複合体は血中には少なく、腎臓に溜まりやすいようなので、沈着自体を防ぐのは難しそう。沈着したものを除去するには、メサンギウム細胞中のマクロファージが鍵になっている模様。
→治療対象にできず。
5)糸球体毛細血管炎が起こる
ステロイドで炎症作用を抑制すると糸球体毛細血管炎が消失する。よってステロイドが治療薬として使用される。
・原因療法というのは一体どういうものが該当するのか?
IgA腎症の原因は異常IgA抗体やその複合体の沈着なので、これらの産生を抑制あるいは選択的な除去は原因療法に該当するのと思われる。段階が進んで腎機能低下が起きている場合は、iPSCや細胞治療、遺伝子治療などで、低下した腎機能を復活させる治療が候補になるかもしれない。とは言え、どれも作用機序的に効果と成功確率が低そう。。臓器ですし。血流が多いですし。抗体は全身性ですし。