IgA腎症の治療記録 - だいたい寛解

2020年初夏にIgA腎症を患ったのでその個人的な治療記録と感想

IgA腎症関連の雑記2 治療法や再発について

 

IgA腎症関連のWebサイトによく出てくる用語を自分で後で読んで思い出せそうと思われる言葉でまとめました。完全に個人(素人)の備忘録です。色々言葉や背景を検索して、あぁそういうことか、と納得するものの、残念ながらすぐに忘れてしまうのでメモ書きを残しておくことにしました。。間違っている部分を発見したら随時修正してゆきます。

 

 [レニン・アンジオテンシン系阻害薬(降圧剤)]
糸球体の中の圧力を下げて、負荷や仕事量を減らすことで、タンパク尿を減らしたり、腎機能低下を抑える。薬を始めた頃に、一時的にクレアチニンが上がったり、eGFR が下がったりすることがある。以降数値が悪化していなければ効果ありと判断される。タンパク尿が多い場合は使用されることが多い。

 

[ステロイド薬]
IgA が原因で起こす炎症を抑える (火事を消す)ことで、血尿やタンパク尿を減らしたり、腎機能低下を抑える。血尿やタンパク尿があるが腎機能がそれほど落ちていない場合は効果が大きい。腎機能がすでにかなり落ちてしまって、 炎症がある程度終わっている場合は、あまり効かないこともある。

 

免疫抑制作用を得るためには、プレドニゾロン換算で20~30mg/日以上が必要で、投与開始2~3週間後から効果が得られることが多い。自分のムーンフェイス開始時期と一致。ムーンフェイス=薬が効いてるという事でしょう!?

 

[扁摘]
扁桃腺が異常IgAを産生している場合は、産生元を断つことで体内の異常IgA量を減らすことができる。

 

[B-SPOT 療法・EAT(鼻咽頭擦過療法)]
咽頭の炎症が原因で異常IgAを産生している可能性がある。扁桃摘出術を施行した後にも、腎炎がくすぶる場合には治療することがある。

 

[歯周病]

歯周病が原因で異常IgAを産生している可能性がある。


[免疫抑制薬]
血管炎の治療ではステロイド薬に加えて免疫抑制剤(シクロホスファミド)や生物学的製剤(リツキシマブ)を併用することもある。


[抗血小板薬]
活性化した血小板が腎機能低下を抑える。


[7 n—3 系脂肪酸(魚油)]

動脈硬化血栓の防止に有効とされる。

 

[ステロイドで炎症が治る理由]

ステロイドには、炎症や免疫異常で活発に作用している複数のサイトカインをまとめて抑える強い作用がある。そのため全身の炎症を抑制できる。

 

もう少し詳細に書くと、、、

ステロイドは、細胞膜を通過後、細胞質のグルココルチコイドレセプター(GR: glucocorticoid receptor、ほぼすべての細胞に存在する)に結合する。ステロイドの結合したGRは、核内へ移行し、標的遺伝子の発現を転写因子レベルで調節する。転写因子NF-κBやAP-1などと相互作用して、炎症に関与するサイトカインなどが負に制御され、免疫抑制作用が発揮される。(腎臓に沈着したIgA複合体そのものを取り除いてあるわけではない。)

 

[腎臓の毛細血管壁に沈着した異常IgA複合体]

エンドサイトーシス経由、マクロファージで消える。異常IgA複合体が毛細血管壁に沈着したままだと炎症が治らない。

 

ステロイドによる炎症作用消失と異常IgA複合体クリアランスがどのような順(どちらかが先行するか、同時なのか)で起きているかはわからなかった。いずれにせよ、寛解後に腎生検をすると異常IgA複合体の消失が確認できる。

 

[プレドニゾロン半減期]

生物学的半減期(下垂体抑制作用を指標) 18-36時間

血中半減期 4-6時間

 

[寛解・治癒の期待]

先に尿タンパクが消失し、次に血尿が収まる。

治療介入により確実に取り除くことができるのは糸球体毛細血管炎のみ。それ以外の因子は腎保護作用を有する降圧剤を含め、完全に取り除くことはできない。

→糸球体毛細血管炎が原因の血尿が消失してもタンパク尿が持続する場合、寛解・治癒の期待が低くなる。

 

[血尿が消失しない場合]

1. 病巣感染が残っている

2. パルス治療が不十分

3. 別の要因で血尿が起きている

頻度的には1. が多い。

 

[再発]

発症3年以内に扁摘パルスで寛解になった場合の再発率は2%。血尿を伴うものがIgA腎症の再発とみなされる。(進行によら糸球体数が少ない場合は、一旦寛解後に残った糸球体に過剰な負荷がかり、再度蛋白が漏れ出やすい。この場合は糸球体毛細血管炎がないので血尿は伴わない。)

 

 

 

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